ドコモ口座事件とは
2020年9月、ドコモ口座を利用した銀行口座からの不正引き落とし事件が発覚し、キャッシュレス時代の大規模な不正事件として、ニュース等で大きく取り上げられました。
ドコモ口座で何が起きたのか?
https://www3.nhk.or.jp/news/special/sakusakukeizai/articles/20200911.html
9/26時点で被害は143件・2676万円と、規模はそこまで大きくないものの、ドコモやキャッシュレス業界全体に対する不信感が世間に広まってしまうという意味で、業界へのインパクト非常に大きい事件だと思います。
本記事では、ドコモ口座事件の本当の問題点と対策について、筆者独自の視点で解説していきたいと思います。
今回の事件のポイント
一般的に言われている問題点
ドコモ口座に限らず、不正利用自体は常日頃から無数に発生していますが、今回の事件が問題視されているのは下記のポイントが理由とされています。
- ドコモ口座利用におけるドコモ側の本人確認が不十分
メールアドレスさえあればドコモ口座開設が可能 - 銀行口座からドコモ口座へチャージする際のセキュリティが不十分
名義、口座番号、暗証番号があればチャージ可能
要はドコモと銀行に明確な落ち度があった、ので炎上したということです。
確かに、大企業のセキュリティがザルザル且つガバガバであったという意味でのインパクトはありますが、被害を回避するという観点では上記のポイントは大して重要ではないと思っています。
不正利用の本質的な問題点
今回の事件発覚後、SNS上ではドコモに対する批判が集中し、人によっては銀行へ行って入出金履歴を確認したり、残高を別の口座へ移す、サービス停止を求める、など様々な書き込みがありましたが、そういった反応をしている方々こそ、不正利用の本質を理解できていない、まさにカモであると思います。
今回はたまたまドコモと銀行のセキュリティがザルだから狙われた、というだけで、次は別企業が別の手口で狙われる可能性があります。目先のドコモ口座事件にだけ反応してもあまり意味がないです。
常に存在しているリスクに気づかず、各自が対策を行っていないことこそが、本質的な問題点であると筆者は思います。
本質的に重要なのは、あなたの資産は常に何らかのリスクにさらされている、ということを自覚し、備えておくことだと筆者は思います。
どのように対策すれば良いのか
ではどのように対策をすればよいのか、具体的な対策を2つご紹介します。
資産を分散する
結局のところ、不正利用されるときはされるので、その前提でリスクを分散するしかないです。
銀行口座を1つしか持っていない方は、複数の口座に分散することをおすすめします。そして、分散先はセキュリティ意識が高い口座が良いです。
Webでの取引に2要素認証を用いていない口座は論外なので、対象から除外することをおすすめします。
少し話がそれますが、日本円だけで資産を保有しているのもリスクです。
インフレになれば現金の価値は下がりますし、投資をしないことによる機会損失もある意味リスクです。
証券口座をお持ちでない方は、これを機に証券口座を開設し、インデックス投信や債権など、長期でのリターンが見込める金融資産への分散も、リスク分散としては非常に有効だと思います。
資産の動きを可視化する
資産の動きは、常に最新の状況を容易に確認可能な状況にしておくべきです。
不正利用が起こった際に素早く気づくことで、被害の拡大防止に繋がります。
そして不正発生直後の方が、被害額が保証される可能性が高いです。
マネーフォワードやマネーツリーといったスマホアプリを活用することで、銀行口座の残高や入出金履歴をまとめて確認・管理できるので、これを機に是非利用してみることをおすすめします。最低限の機能は無料で利用できます。
これらのアプリは一定額以上の入出金があった際にスマホにプッシュ通知もしてくれるので、早期に異変に気づくことができます。
いちいち銀行に行ったり記帳しないと入出金が確認できないような状況はそれだけでリスクなので、SNSで文句を書き込む前にマネーフォワードを導入することをおすすめします。
結論:自分のお金は自分で守るしかない
結局、自分のお金は自分で守るしかないです。
ドコモや金融機関に文句を言ったところで第2第3のザル口座が現れるので、時間の無駄だと思います。
これを機に資産の分散や可視化をすることで、不正のリスクを少しでも下げられるように今から準備をしておくことが大事なので、この記事がきっかけで1人でも多くの方が行動を起こして頂けたら幸いです。
では!